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デンカグループ 持続可能な調達に関する基本方針・ガイドライン

2025年4月更新

デンカグループ 持続可能な調達に関する基本方針・ガイドライン

デンカグループは、すべての取引先とパートナーシップを構築し、共存共栄の関係強化に取り組むとともに、サプライチェーンにおける社会的責任を果たし、持続可能な発展を遂げるために、「デンカグループESG基本方針」に基づいた「デンカグループ・持続可能な調達に関する基本方針」および「デンカグループ・持続可能な調達ガイドライン」を制定します。サプライチェーン全体でのサステナビリティ推進のため、本方針およびガイドラインをデンカグループのすべてのビジネスパートナーとの取引に適用します。

デンカグループ・持続可能な調達に関する基本方針
第1条
デンカグループは、国際規範を尊重し、関連する法令および企業倫理を遵守した調達業務を遂行します。
第2条
デンカグループは、原材料、機材、工事の調達にあたり、品質、価格、納期および取引先の技術力、供給安定性、人権問題を含めた社会的な課題や、気候変動などの環境保全への取り組みなどを総合的に勘案します。
第3条
デンカグループは、取引先を事業遂行上の大切なパートナーとして誠意をもって対応し、公正な取引を通じて相互理解と信頼関係の構築に努めます。
第4条
デンカグループは、人権を尊重し、性別、年齢、国籍、民族、人種、出身地、宗教、信条、障がいの有無、性的指向、性自認等に基づく差別を行いません。一切の児童労働、強制労働を禁止し、職場の労働環境・安全衛生の向上に努めるとともに、従業員の結社の自由と団体交渉権を尊重します。また、事業を操業する国や地域の最低賃金に関連した法令の遵守と、生活に充分な賃金の支払いを配慮する調達に努めます。
第5条
デンカグループは、気候変動などの地球環境問題への配慮を重要課題として認識し、エネルギー使用量の削減や温室効果ガスの排出削減、水や生物多様性の保全、資源の節約とリサイクル、廃棄物削減も含めた環境負荷の低減に配慮した調達を実施します。
第6条
デンカグループは、取引先との関係において、社会的常識の範囲を越えるような不適切な接待・贈答を受けたり行ったりしません。また、市民生活や企業活動に脅威を与える反社会的勢力・団体の行動に備え、毅然とした態度で対応し、一切の関係を持ちません。
第7条
デンカグループは、調達業務を通して知り得た取引先の機密情報を守秘し、取引先の知的財産権を適正に管理・保護します。
  • 機密情報とは一般的に機密である旨が合意されている文書など(電磁的あるいは光学的に記録されたデータ情報を含む)により開示された情報や、機密である旨を告知したうえで口頭にて開示された情報を指す。
第8条
デンカグループは、すべての取引先に対して対等な立場で公平・公正に競争の機会を提供します。

制定:2013年9月
改定:2025年4月

デンカグループ・持続可能な調達ガイドライン

このガイドラインは、デンカグループとその取引先が、ともに社会的責任を果たしていくために取り組むべき事項として定めたものです。サプライヤーの皆様におかれましては、本ガイドラインをご理解の上、実行していただきますようお願いいたします。

第1項 法令遵守・国際規範の尊重
自国および事業を行う国/地域で適用される法規制を遵守するのみならず、国際行動規範を尊重すること。
第2項 人権・労働
関連法規制を遵守することのみならず、国際的な人権基準に則して、労働者の人権を尊重すること。
(2-1) 強制的な労働の禁止
強制、拘束、非人道的な囚人労働、奴隷制または人身売買によって得られた労働力を用いないこと。また、すべての就業を強制することなく、労働者自らが離職や雇用を終了する権利を守ること。
(2-2) 児童労働の禁止、若年労働者への配慮
最低就業年齢に満たない児童に労働をさせないこと。また、18歳未満の若年労働者を夜勤や残業など、健康や安全が損なわれる可能性のある危険業務に従事させないこと。
(2-3) 労働時間への配慮
労働者の働く地域で法規上定められている限度を超えて労働させず、国際的な基準を考慮した上で労働者の労働時間・休日を適切に管理すること。
(2-4) 適切な賃金と手当
事業を運営する国や地域において、労働者に支払われる報酬(最低賃金、残業代、および法的に義務付けられた手当や賃金控除を含む)に適用されるすべての法規制を遵守すること。
また、生活に必要なものを賄うことのできる水準の賃金(生活賃金)の支払いに配慮すること。
(2-5) 非人道的な扱いの禁止
労働者の人権を尊重し、精神的・肉体的な虐待、強制、ハラスメントなどの非人道的な扱い、ならびにそのような可能性のある行為を労働者に行わないこと。
(2-6) 差別の禁止
性別、年齢、国籍、民族、人種、出身地、宗教、信条、障がいの有無、性的指向、性自認等に基づく差別およびハラスメントを行わないこと。
また、労働者からの宗教上の慣習に関わる要望に対して、適切な範囲で配慮すること。
(2-7) 結社の自由、団体交渉権
事業を運営する国や地域における法規制を遵守した上で、労働環境や賃金水準などの労使間協議を実現する手段としての労働者の団結権を尊重すること。
第3項 安全衛生
関連法規制を守るのみならず、ILOの安全衛生ガイドラインなどに留意し、労働者の業務に伴う怪我や心身の病気を最小限に抑え、安全で衛生的な作業環境を整える取り組みを行うこと。
(3-1) 労働安全
職務上の安全に対するリスクを特定・評価し、また適切な設計や技術・管理手段をもって安全を確保すること。
(3-2) 緊急時への備え
人命・身体の安全を損なう災害・事故などを発生の可能性も含めて特定し、労働者および資産の被害が最小限となる緊急対策時の行動手順の作成、必要な設備などの設置、災害時にその行動がとれるように教育・訓練を行うこと。
(3-3) 労働災害・労働疾病
労働災害および労働疾病の状況を特定・評価・記録・報告し、適切な対策および是正措置を講じること。
(3-4) 産業衛生
職場において、有害な生物的・化学的・物理的な影響に労働者が曝露するリスクを特定・評価し、適切な管理を行うこと。
(3-5) 身体的負荷のかかる作業への配慮
身体的に負荷のかかる作業を特定・評価のうえ、労働災害・労働疾病につながらないよう適切に管理すること。
(3-6) 機械装置の安全対策
労働者が業務上使用する機械装置について安全上のリスクがないか評価し、適切な安全対策を実施すること。
(3-7) 施設の安全衛生
労働者の生活のために提供される施設の安全衛生を適切に確保すること。
(3-8) 安全衛生のコミュニケーション
労働者が被る可能性のある職務上の様々な危険について、適切な安全衛生情報の教育・訓練を労働者が理解できる言葉・方法で提供すること。また、労働者から安全に関わる意見をフィードバックする仕組みを構じること。
(3-9) 労働者の健康管理
全ての従業員に対し、適切な健康管理を行うこと。
第4項 環境保全
地球環境への配慮を重要課題として認識し、気候変動や資源の枯渇、環境汚染などの問題に積極的に取り組むとともに、関係する地域の人々の健康と安全の確保を考慮し、温室効果ガスの排出削減や、水や生物多様性の保全、資源の再利用および廃棄物削減も含めた環境負荷の低減に配慮した調達業務を実施すること。
(4-1) 環境許可と報告
事業の所在地の法規制に従い、事業に必要な許認可・承認を取得し、登録・報告を行うこと。
(4-2) エネルギー消費および温室効果ガスの排出削減
エネルギー効率改善に努め、エネルギー消費量および温室効果ガス排出量の継続的削減活動に取り組むこと。
(4-3) 大気への排出
関連する法規制を遵守し、有害な物質の大気への排出を削減するための適切な対策を実施すること。
(4-4) 水の管理
法規制を遵守し、使用する水の水源、使用、排出をモニタリングし、節水に努めること。
あらゆる廃水は、排出または廃棄する前に、必要に応じて特性を示し、監視、制御、処理を実施するとともに、水汚染を発生させる可能性のある汚染源を特定し、適切な管理を行うこと。
(4-5) 資源の有効活用と廃棄物管理
法規制を遵守し、廃棄物の発生を最低限に抑えるよう適切な管理を行うことにより、リデュース(削減)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)を推進し、資源の有効活用を図ること。
(4-6) 化学物質管理
人体や環境に対して危険をもたらす化学物質およびその他の物質について、法規制に基づき、安全な取り扱い、移動、保存、使用、リサイクルまたは再利用、および廃棄が確実に実施されるように、適切な管理と表示を行うこと。
(4-7) 製品含有化学物質の管理
製品に含まれる特定の物質の使用禁止または制限に関して適用される、すべての法規制および顧客要求を遵守すること。
第5項 公正取引・倫理
国際規範を尊重し、関連する法令および企業倫理を遵守し、高い水準の倫理観に基づき事業活動を遂行すること。
(5-1) 腐敗防止並びに不適切な利益供与および受領の禁止
あらゆる種類の贈収賄、腐敗行為、恐喝、および横領などを行わないこと。
賄賂その他の不当または不適切な利益を得る手段としての約束、申し出、許可を提供または容認しないこと。
(5-2) 反社会的勢力の排除
市民生活や企業活動に脅威を与える反社会的勢力・団体の行動に備え、毅然とした態度で対応し、一切の関係を持たず、利益供与を行わないこと。
(5-3) 適正な情報開示
適用される法規制と業界の慣例に従って、労働、安全衛生、環境活動、事業活動、組織構造、財務状況、業績に関する情報を開示すること。記録の改ざんや虚偽の情報開示を容認しないこと。
(5-4) 知的財産の尊重
知的財産権を尊重し、技術やノウハウの移転は、知的財産が守られた形で行うこと。また、顧客およびサプライヤーなどの第三者の知的財産も保護すること。
(5-5) 公正なビジネスの遂行
公正な競争、公正な取引に関する法令を遵守すること。事業活動において適用される法令その他のすべての社会規範を遵守すること。製品やサービスに関しては公正な広告を行うこと。
(5-6) 通報者の保護
通報に係る情報に関する機密性、並びに通報者の匿名性を保護し、通報者に対する報復を排除すること。
  • デンカグループの通報制度に基づく窓口を記載
(5-7) 責任ある鉱物調達
製造している製品に含まれるタンタル、錫、タングステン、および金などの鉱物が、紛争地域および高リスク地域で深刻な人権侵害、環境破壊、汚職、紛争などを引き起こす、またはそれらに加担していないかのデュー・ディリジェンスを実施すること。
第6項 品質・安全性
提供する製品やサービスの安全性ならびに品質の確保を行い、正確な情報を提供すること。
(6-1) 製品の安全性の確保
製品が各国の法令などで定める安全基準を満たし、供給者としての責任を果たすよう、十分な製品安全性を確保できる設計・製造・販売を行うこと。
(6-2) 品質管理
製品・サービスの品質に関して適用される、すべての法規制を遵守するのみならず、自らの品質基準、顧客要求事項を遵守すること。
(6-3) 正確な製品・サービス情報の提供
製品・サービスに関する、正確で誤解を与えない情報を提供すること。
第7項 情報セキュリティ
機密情報や個人情報の漏洩を防止し、情報セキュリティの強化を図ること。
(7-1) サイバー攻撃に対する防衛
サイバー攻撃などからの脅威に対する防御策を講じて、自社および他者に被害が生じないように管理すること。
(7-2) 個人情報の保護
サプライヤー、顧客、消費者、従業員など全ての個人情報について、関連する法規制を遵守し、適切に管理・保護すること。
(7-3) 機密情報の漏洩防止
自社のみならず、顧客や第三者から受領した機密情報を、適切に管理・保護すること。
第8項 事業継続計画
大規模自然災害などによって自社もしくは自社の取引先が被災した場合に、自社が供給責任を果たすために、いち早く生産活動を再開できるよう準備すること。
(8-1) 事業継続計画の策定と準備
事業継続を阻害するリスクを特定・評価し、事業への影響の精査と中長期的に必要な事前対策、その取り組み状況をまとめた事業継続計画(BCP)を策定すること。
(8-2) サプライチェーンのトレーサビリティの向上
調達原燃料の上流の情報を可能な限り把握し、原燃料及びサプライヤーの潜在リスクを想定し、それに備えるとともに、リスク情報を顧客に共有すること。

制定:2013年9月
改定:2025年4月

本ガイドラインはJEITA「責任ある企業行動ガイドライン」を参考に作成しております。

株式会社ディ・エフ・エフ, デンカ株式会社 CSR・広報室, デンカ株式会社 IR室, 星和ビジネスリンク
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