2026年3月更新
デンカグループは、人権に関する国際規範の遵守を重視し、国際連合の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた行動を推進しています。その一環として制定した「デンカグループ人権方針」は、すべての企業活動において人権侵害を排除するための具体的な施策を示すものであり、2023年9月に取締役会で承認・制定されました。
この人権方針は、当社グループのすべての役員・従業員に適用されるとともに、ビジネスパートナーやサプライヤーに対しても支持・尊重を求めています。また、全役員・従業員が定期的に受講するオンライン教育を通じて、人権方針の周知・徹底を図っています。
さらに、ビジネスパートナーに対しては、「デンカグループ・持続可能な調達に関する基本方針」および「デンカグループ・持続可能な調達ガイドライン」に人権尊重の条項を設け、ウェブサイトで公開しています。加えて、各グループ会社から取引先へ方針・ガイドラインをお知らせする書状を送付し、アンケートを通じて賛同をお願いするなど、積極的な周知活動を行っています。
デンカグループ 持続可能な調達に関する基本方針・ガイドライン
また、デンカグループは国連グローバル・コンパクト署名企業として、同イニシアティブが定める10原則を支持し、今後もその責任を果たしてまいります。
私たちデンカグループ(「デンカ」)は、全従業員の活動の根幹となるビジョン(コアバリュー、パーパス、ミッション)の下、イノベーションとソリューションの提供を通じて社会に貢献することを⽬指しています。デンカは、⼈権は全ての事業活動における重要な事項であることを理解し、「デンカグループ ESG 基本⽅針」および「デンカグループ倫理規定」に基づき、⼈権尊重の責任を果たしていくとともに事業活動を通じた⼈権課題への貢献を⽬的として本⽅針を定め、以下を実現するよう努めます。
なお、本⽅針は、2023年9⽉11⽇の取締役会で承認されました。
制定年⽉⽇:2023年9⽉11⽇
改訂:2025年3⽉10⽇
デンカ株式会社
代表取締役社⻑
石田 郁雄
デンカは、企業活動において発生しうる顕著な人権リスクを特定し、適切な対応を進めています。リスク項目の特定にあたり、2023年度には各事業部門・管理部門・労働組合へのヒアリングを実施し、2024年度には国内の工場・事業所を対象にアンケート調査を行いました。
本調査では、企業としての全ての事業活動において、配慮すべき幅広いリスク項目を設定しました。具体的には、労働問題、ハラスメント、差別、強制労働、児童労働、労働時間、賃金不足、地域住民の権利、消費者の安全と知る権利などです。その結果、優先的に取り組むべき10のリスク項目を抽出しました。
当社グループ特有の人権リスクとしては、化学品等の製造現場における労働安全衛生や、消費者への安全に関する適切な情報提供が挙げられます。
人権ワーキングチームでは、抽出されたリスクに対する防止・軽減策の確認と是正・再発防止策を検討し実施します。リスク調査対象を、国内外のグループ会社やサプライチェーンへと拡大しながら、グループ全体での人権デュー・ディリジェンスプロセスを確立し、維持・継続します。デンカグループ全体の人権尊重の仕組みづくりに積極的に取り組んでまいります。
| カテゴリー | リスク項目 |
|---|---|
| 労働安全衛生 | 労働環境(安全・衛生)の人権 |
| パワハラ | 従業員間のパワハラ発生のリスク |
| サプライヤー(協力会社を含む)従業員に対するパワハラ発生のリスク | |
| 顧客から自社従業員へのパワハラ発生のリスク | |
| 長時間労働 | 長時間労働・過重労働のリスク |
| 居住移転の自由 | 転勤・異動の強制等による居住移転の自由の侵害リスク |
| 先住民・地域住民の権利 | 製品の製造、廃棄等に伴う周辺住民の生活への悪影響発生リスク |
| 消費者の安全と知る権利 | 製品に関する情報の誤りによる販売先や消費者の「知る権利」侵害発生のリスク |
| 労働安全衛生 | サプライヤー内の労働環境における安全・衛生の人権リスク |
| 強制労働・児童労働 | 原料等の生産現場および、販売先(及び工場)内における深刻な形態の強制労働、児童労働発生のリスク |
デンカグループでは、人権ワーキングチームリーダーである経営企画部担当役員を責任者として、人権尊重の取り組みを進めています。主たる人権尊重の機能は、人財戦略部・資材部・法務部・経営企画部からなる人権ワーキングチームが担い、各事業拠点と協働しながら推進しております。取り組みの進捗状況については、サステナビリティ委員会で議論の上、取締役会へ年2回報告しています。
また、人権に関する重要課題が確認された場合は、所管部門で課題の発生原因・是正措置・再発防止策をまとめたうえで、取締役会に報告します。取締役会では、報告内容を踏まえて今後の方針を決定します。
デンカは「デンカグループ人権方針」の第7条にある通り、潜在的ならびに顕在的な⼈権課題の特定・解決のために、関連する社内外のステークホルダーと継続的な対話・協議を行っています。
デンカは、主要なサプライヤーの人権リスクを正しく把握するため、すべてのサプライヤーに対し、国連グローバル・コンパクトの10原則に基づいた Self-Assessment Questionnaire(SAQ) を送付し、回答をお願いしています。SAQでは、人権リスクを含む各種リスクを評価し、結果を項目別にリスト化しています。一定のスコアに満たないサプライヤーについては、改善に向けた対話・協議を計画的に進めています。
また、新規契約を締結する取引先には、人権遵守を明記した「デンカグループ・持続可能な調達ガイドライン」への賛同をお願いしております。さらに、2025年度には、グループ会社からサプライヤーの皆様へ同ガイドラインをお知らせする書状を送付し、賛同確認やご意見をお伺いしております。今後もビジネスパートナーの皆様との対話に努めてまいります。
当社グループでは、「デンカグループ人権方針」を全社員に周知・浸透させるとともに、人権デュー・ディリジェンスおよび人権救済メカニズムについて、専門知識を有する第三者と協働し、計画的に取り組んでいます。
人権リスク調査に際しては、本社、工場・事業所、労働組合、グループ会社の調査対象となる従業員に対し、事前説明会を実施し、質疑応答や意見交換を行っています。また、ヒアリングやアンケートを通じて、人権に関する懸念事項や要望についてのディスカッションも実施しています。
さらに、社員教育として、人権方針および当社グループの取り組みに関する説明会を開催するとともに、コンプライアンス研修と連動したeラーニングを実施し、従業員の人権理解度をモニタリングし、次のアクションへとつなげています。
「デンカグループ倫理規定」は、「良好な人間関係の維持」を掲げ、デンカグループの全役職員に対して個人の人権を尊重するよう義務付けているほか、「ビジネス行動基準」は、デンカグループの役職員が、法律、習慣、伝統、文化等は国・地域により異なることを認識しつつ、高い倫理観を持ち、デンカグループが事業を展開するすべての国・地域において良き企業市民として行動することの大切さを述べています。さらに、デンカグループの役職員が、民族、人種、性別、宗教、国籍、年齢、身体的障害、性同一性等にかかわらず職務上必要とされる能力・適性、法律と規則に基づき、職務配置、昇進、異動、研修の機会などの雇用関係の全ての側面で差別なく公平に扱われることの大切さを述べています。さらに、「ビジネス行動基準」は、労働法制の遵守、雇用機会均等かつ差別のない取扱い、職場でのハラスメント防止のために、デンカグループの全役職員が遵守すべき具体的な義務や禁止事項を明確化しています。とりわけ職場でのハラスメントの防止についての社内研修テキストは、厚生労働省の指針に準拠したパワー・ハラスメントやセクシャル・ハラスメント等に関する具体的な実例を明記し、デンカグループ内でハラスメント事例が生じないよう入念に定めております。
加えて、デンカは、2023年6月に国連「グローバル・コンパクト」に署名しております。デンカは、同イニシアティブが定める10原則を支持し、またその他の各種人権に関する国際規範を尊重し、事業活動を通じた人権課題への貢献を行ってまいります。
「デンカグループ人権方針」に記載の通り、デンカは、事業活動を行う各国の現地法を遵守するとともに、国際的に求められた人権原則を尊重し、過剰な労働時間・時間外労働時間の削減に積極的に取り組みます。具体的な対応措置としては、次のようなものが挙げられます。
デンカの従業員は、団体交渉権を有するデンカ労働組合を組織しており、年に3回の労使協議を行っております。他にも、同じく年に3回、社長と労働組合の代表が経営状況や会社の取り組みについて対話をする機会を設けており、更に毎月の情報交換会も開催するなど、会社は労働組合との適切な関係を重視し、労働者の権利を守るための労働組合の趣旨と考え方を尊重しています。また、労働条件や従業員の働く環境について、労使間で活発な議論を行い、改善に向けて積極的に活動しています。これらの活動を通して、相互理解と信頼を基盤とした健全な労使関係を築き、働きやすい職場環境の実現を目指しています。
デンカグループは、ユニセフ、国連グローバル・コンパクト、セーブ・ザ・チルドレンが策定した「子どもの権利とビジネス原則」に則り、さまざまな取り組みを進めています。
当社の「デンカグループ人権方針」および「デンカグループ・持続可能な調達に関する基本方針」では、「原則2:児童労働」に基づき、児童労働の撤廃を明確に定めています。また、「原則3:若年労働者・親・子どもの世話をする人々」においては、子育てを行う社員が働きやすく、働き甲斐を感じられる制度や労働環境の整備に努めています。
さらに、「原則10:地域社会と政府の取り組み」に基づき、工場・事業所・研究所が所在する地域の小中学校や高校の子どもたちを対象に、工場見学会や化学実験教室を開催しています。加えて、高校生・高専生向けの職場体験、科学技術コンテストへの協賛、大学での知財教育をテーマとした出張授業など、幅広い教育支援を実施しています。
わたしたちデンカグループは、「デンカグループ・社会貢献方針」において、「教育・学術・文化の振興」の方針を掲げて、未来のものづくりを担う青少年の育成支援に積極的に取り組んでいます。