2024年12月更新
デンカグループは、人権に関する国際規範の遵守を重視し、国際連合「ビジネスと人権に関する指導原則」を基づいた行動に努めています。それらの行動の一環で制定した「デンカグループ人権方針」は、すべての企業活動において人権侵害を排除するための施策を具体化するものであり、2023年9月に取締役会により承認・制定されました。
この人権方針は、当社グループのすべての役員と従業員に適用されるとともに、当社グループのビジネスパートナー及びサプライヤーに対しても、本方針が支持・尊重されるように求めています。また、国連グローバル・コンパクト署名企業として、同イニシアティブが定める10原則を支持し、今後もその責任を果たしてまいります。
私たちデンカグループ(「デンカ」)は、全従業員の活動の根幹となるビジョン(コアバリュー、パーパス、ミッション)の下、イノベーションとソリューションの提供を通じて社会に貢献することを⽬指しています。デンカは、⼈権は全ての事業活動における重要な事項であることを理解し、「デンカグループ ESG 基本⽅針」および「デンカグループ倫理規定」に基づき、⼈権尊重の責任を果たしていくとともに事業活動を通じた⼈権課題への貢献を⽬的として本⽅針を定め、以下を実現するよう努めます。
なお、本⽅針は、2023年9⽉11⽇の取締役会で承認されました。
制定年⽉⽇:2023年9⽉11⽇
デンカ株式会社
代表取締役社⻑
今井 俊夫
デンカは、企業活動を行うなかで発生しうる顕著な人権リスクを特定しています。リスク項目の特定に際して、各事業部門、管理部門、および労働組合へのヒアリングを実施し、優先的に取り組むべき10のリスク項目を抽出いたしました。
今後も対象範囲を広げてヒアリングを実施し、防止・軽減のための対応策を進め、人権デュー・ディリジェンスプロセスの確立を目指します。
カテゴリー | リスク項目 |
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労働安全衛生 | 労働環境(安全・衛生)の人権 |
パワハラ | 従業員感のパワハラ発生のリスク |
サプライヤー(協力会社を含む)従業員に対するパワハラ発生のリスク | |
顧客から自社従業員へのパワハラ発生のリスク | |
長時間労働 | 長時間労働・過重労働のリスク |
居住移転の自由 | 転勤・異動の強制等による移住移転の自由の侵害リスク |
先住民・地域住民の権利 | 製品の青銅、排気塔に伴う周辺住民の生活への悪影響発生リスク |
消費者の安全と知る権利 | 製品に関する情報の誤りによる販売先や消費者の「知る権利」侵害発生のリスク |
労働安全衛生 | サプライヤー内の労働環境における安全・衛生の人権リスク |
強制労働・児童労働 | 原料等の生産現場および、販売先(及び工場)内における深刻な形態の強制労働、児童労働発生のリスク |
デンカは、関係部門と人権ワーキングチームを組織し、連携して人権尊重の取り組みを推進しています。取り組みの進捗状況については、サステナビリティ委員会で議論の上、取締役会へ年2回報告しています。
デンカは「デンカグループ人権方針」の第7条にある通り、潜在的ならびに顕在的な⼈権課題の特定・解決のために、関連する社内外のステークホルダーと継続的な対話・協議を行っています。
主要なサプライヤーの人権リスクを正しく把握するため、全サプライヤーに対し、国連グローバルコンパクトの10原則に基づいたSelf-Assessment Questionnaire(SAQ)(人権リスクを含む各種リスク)を送付し、回答をお願いしています。各社のSAQ結果を項目別にリスト化し、一定のスコアに満たないサプライヤーについては、改善に向けた対話・協議を計画的に取り組みます。また、新たに契約を取り交わす取引先には、人権遵守を記した「CSR調達方針」への賛同を求めています。
デンカグループ全社員が対象の「デンカグループ人権方針」と「今後の人権の取り組み」に関する説明会を実施しております。また、デンカのコンプライアンス研修と合わせてe-ラーニングを行い、従業員の人権に対する理解度をモニタリングし、次のアクションへと繋げています。
今後も「デンカグループ人権方針」を全グループ社員に周知・浸透させるとともに、人権デュー・ディリジェンスと人権救済メカニズムについて、知見を有する第三者とともに計画的に取り組みます。
「デンカグループ倫理規定」は、「良好な人間関係の維持」を掲げ、デンカグループの全役職員に対して個人の人権を尊重するよう義務付けているほか、「ビジネス行動基準」は、デンカグループの役職員が、法律、習慣、伝統、文化等は国・地域により異なることを認識しつつ、高い倫理観を持ち、デンカグループが事業を展開するすべての国・地域において良き企業市民として行動することの大切さを述べています。さらに、デンカグループの役職員が、民族、人種、性別、宗教、国籍、年齢、身体的障害、性同一性等にかかわらず職務上必要とされる能力・適性、法律と規則に基づき、職務配置、昇進、異動、研修の機会などの雇用関係の全ての側面で差別なく公平に扱われることの大切さを述べています。さらに、「ビジネス行動基準」は、労働法制の遵守、雇用機会均等かつ差別のない取扱い、職場でのハラスメント防止のために、デンカグループの全役職員が遵守すべき具体的な義務や禁止事項を明確化しています。とりわけ職場でのハラスメントの防止についての社内研修テキストは、厚生労働省の指針に準拠したパワー・ハラスメントやセクシャル・ハラスメント等に関する具体的な実例を明記し、デンカグループ内でハラスメント事例が生じないよう入念に定めております。
加えて、デンカは、2023年6月に国連「グローバル・コンパクト」に署名しております。デンカは、同イニシアティブが定める10原則を支持し、またその他の各種人権に関する国際規範を尊重し、事業活動を通じた人権課題への貢献を行ってまいります。
「デンカグループ人権方針」の第3条にある通り、デンカではあらゆる形態の児童労働や強制労働を認めていません。デンカグループ就業規則内でも同様に禁止する旨を定めており、これらの発生防止策として、日本国内では入社時に提出される住民票の写しや在留カードなどによる年齢確認を徹底することで、児童労働の発生を防止しています。また、強制労働防止のために、会社はパスポートなどの従業員が有する重要書類の保管や、移動の自由への制限を行いません。
デンカの従業員は、団体交渉権を有するデンカ労働組合を組織しています。年に3回の労使協議を行うほか、毎月の連絡会を開催するなど、会社は労働組合との適切な関係を重視し、労働者の権利を守るための労働組合の趣旨と考え方を尊重しています。また、労働条件や従業員の働く環境について、労使間で活発な議論を行い、改善に向けて積極的に活動しています。これらの活動を通して、相互理解と信頼を基盤とした健全な労使関係を築き、働きやすい職場環境の実現を目指しています。
「あなたらしさをデンカらしさに。」をスローガンに、デンカグループで働く多様な社員一人ひとりに潜在する力を引き出し、組織として新たな価値を創造するこ...