サステナビリティとリスクマネジメントに関するデンカの考え方

当社取締役会は、変化する事業環境と多様な社会課題への対応は、リスクの減少と同時に、収益機会につながる重要な経営課題であると認識しています。これら課題へ積極的に取り組むための基本方針として「デンカグループESG基本方針」を策定し、企業集団レベルのコンプライアンス体制強化や、社会課題解決のための新規事業創出へのチャレンジによる事業ポートフォリオ変革など、リスクごとに適切に対応し、デンカグループの中長期的な企業価値向上に努めています。

デンカのリスクマネジメントの体制

当社取締役会は、各執行役員がリスクテイクを行える環境整備を行うと同時に、グループ全体のリスク管理体制の整備に努めています。この目的を達成するため、毎月開催する経営委員会と事業課題報告会は、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性がある各種のリスクの把握と評価・リスクの顕在化防止・顕在化したリスクの悪影響を最小限に抑えるための対応策の立案等、収益性等の経済的価値も加味したリスクマネジメントの議論を行っています。さらに、事業課題報告会は、事業計画の達成状況を含む各種リスクについてモニタリングしています。
また、法務、設備投資、環境、安全衛生、品質管理、スタートアップ投資等の各リスクについては、組織横断的な委員会が、包括的かつ専門的なリスク管理を実施しています。
さらに、法務部、品質保証部、環境保安部等の当社管理部門は、各種グループの共通ルール等に基づき、所轄のリスクについてグループ全体に対するリスクマネジメントに努めています。
これらに加え、事業部門に固有のリスクについては、該当部門がリスク管理を実施するだけでなく、デンカグループ各社におけるそれらリスクについては、当該グループ企業を所管する親会社の各部門から当該グループ会社に派遣された取締役等が、法務・環境・安全衛生・品質管理等の親会社の専門部署と相互に協議しつつ、リスク管理を実施しています。
デンカは、リスクの把握・評価・対策立案等の機能を高め、統合リスクマネジメントの考えに基づくグループ全体のリスクマネジメント体制の一層の強化に努めています。

統合リスクマネジメントの取り組み

デンカグループは、めまぐるしい事業環境の変化や本格化する事業ポートフォリオ変革など、事業をめぐる不確実性が増大する中でも資本コストを最小化していくため、リスクマネジメント体制の強化に努めています。特に、平時におけるリスク管理活動の強化に向け、グループ経営に大きな影響を及ぼすリスクの事前予測・評価分析・可視化・対策立案・モニタリングを行う統合リスクマネジメントプロセスの仕組み作りに努めています。これにより、リスク顕在化による業績への影響を低減させ、資本コストの最小化の実現を通じ、ステークホルダーにとっての中長期的な企業価値向上に努めていきます。

デンカのリスクマネジメント活動

デンカグループの経営に重大な影響を与えうるリスクが顕在化した場合のいわゆる有事対応の基本ルールとして、当社は、「危機管理基本要綱」を定め、同要綱に基づき、総務部・環境保安部・コーポレートコミュニケーション部・品質保証部・法務部等の管理部門各部が、リスクの早期発見・早期対応を含む適切な初動対応ルール・情報の一元的集約ルール・経営陣を含む社内外のステークホルダーとのコミュニケーションルール等の整備を行い、危機シナリオに沿った対応策の立案も行い、平時から危機対策上の施策を行っています。また、当社は、サイバー攻撃などによる情報漏洩など事業継続に影響を及ぼすリスクを最小化するため、「デンカグループ・情報セキュリティポリシー」などのグループ共通ポリシーを定め、個人情報保護を含む情報セキュリティに関する全グループ的な各種の取り組みを行っています。
さらに、メーカーとして大切な品質に関するリスクについても、事業継続に影響を及ぼすリスクを最小化するため、「デンカグループ・品質問題対応ポリシー」を定め、全グループ的な各種の取り組みを行っています。
不幸にしてリスクが現実化したときは、「危機管理基本要綱」に基づき、事案の重大性に応じ、社長が危機対策本部の設置を決定し、法務部、環境保安部、品質保証部、内部統制部など関係各部が、密接に連携しつつ、必要に応じて社外専門家の助言を得ながら、各種調査、原因分析、各種対策立案を行い、再発防止に努めています。
デンカは、今年度から、統合リスクマネジメントの考えに基づき、リスクの把握・評価・対策立案等の機能を高めるための諸活動を行い、グループ全体のリスクマネジメント体制の強化に努めています。