2025年8月更新
デンカグループは、合成樹脂の素材からポリマーの加工・成型までにわたる一貫した製造設備と製品開発力を持つ強みを活かして、地球環境負荷低減とプラスチックの効率的な利用を促す、新たなソリューションの開発と提供を積極的に行っています。また、クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)※に参加し、産業界が連携する取り組みにも参画しています。
海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制の強化などを契機として、国内におけるプラスチックに係る資源の循環促進等の重要性が高まり、今般、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が、2021年6月に公布、2022年4月1日に施行されました。当社の対応は以下の通りです。
当社は持分法適用関連会社である東洋スチレン(株)と、ポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルの事業化に着手しました。米国のアジリックス社より技術を導入し、当社千葉工場内にプラントの建設(年間処理能力:約3,000t)を決定、2024年3月より稼働を開始しました。環境への貢献度として、ケミカルリサイクルプロセス適用によるCO2排出量削減と、同設備による新たな発生量(副生物の再利用も含む)を総合し、既存の単純焼却プロセスに対しライフサイクルベースで約40%の削減が可能と見込んでおります。早期の本格実装実現を目指して、取り組みを進めていきます。
経済産業省は、2023年3月に策定した「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき、サーキュラーエコノミーの実現を目指し、産官学の連携を促進するためのパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」を設立しました。当社もその取り組みに賛同し、2024年4月に参画のうえ、以下の目標を設定してサーキュラーエコノミー推進に取り組んでいます。
カテゴリ | 循環経済における『資源循環』に関する目標 |
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タイトル・数値 | 環境対応製品の市場投入数 30品種 |
概 要 | デンカグループでは、持続可能な社会の実現を目指し、グループ独自の資源循環システムブランド「D-NODE™(ディーノード)」を立ち上げました。「D-NODE™」を通じて、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルを含む適切な方法でのリサイクルやバイオマス素材の活用(マスバランス方式を含む)により、30品種のスチレン系環境対応製品の市場投入を目指してまいります。 |
目標達成日 | 2031年3月31日 |
ISCC PLUS認証は、リサイクル原料やバイオマスなど、持続可能な資源を使った製品の管理や信頼性を保証する国際的な認証制度です。この認証を取得したことで、マスバランス方式(※1)を用いた持続可能な原材料の製品も取り扱えるようになりました。マスバランス方式の信頼性を確保し適切な管理・運用を行うことは、資源循環の推進において重要な役割を果たすと考えており、今後もデンカグループは、ISCCの最新の規定に則り、ISCC PLUS 認証の要求事項に準拠することを約束し、宣言します。
会社名・拠点 | カテゴリー | 製品 | 認証取得時期 |
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デンカ株式会社 千葉工場 | bio, bio-circular, circular | スチレンモノマー スチレン系樹脂 スチレン系シート |
2024年5月 |
デンカ株式会社 伊勢崎工場 (太田) |
bio, bio-circular, circular | スチレン系シート | 2025年取得準備中 |
Denka Singapore Pte Ltd | bio, bio-circular, circular | スチレン系樹脂 | 2023年1月 |
デンカポリマー株式会社 五井工場・香取工場・佐倉工場 |
bio, bio-circular, circular | 食品容器 | 五井:2024年5月 香取:2024年11月 佐倉:2024年6月 |
プラスチック製食品容器の製造販売を行うデンカポリマーは、デンカが開発した「バイオマスBOPS」(マスバランス方式(※1))や、A-PETより35%の軽量化を実現したBOPSシート「エコクリア」を使用した環境に優しい容器の開発を推進しています。