2024年9月更新
デンカは100有余年にわたって再生可能エネルギーの利用に取り組んでいます。水力発電を中心とした再生可能エネルギーを「つくる技術」と、貴重なエネルギー源として最大限に化学のモノづくりに生かす「つかう技術」を培ってきました。これらの技術の活用を通じて地球環境の保全に貢献すべく、自社の強みである再生可能エネルギーへの取り組みに一層注力していきます。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、「Mission 2030」の中で水力発電の増強と太陽光発電新設によるグリーンエネルギーの拡大を掲げて「再生可能エネルギー発電の最大出力:150MW」達成に向けた取り組みを開始しました。足元では既設水力発電所のリニューアルによる発電効率の改善や、各事業所での太陽光発電の新規導入を推進します。更に、中長期を視野に入れた対応として、新規水力発電所の建設を中心に、風力・地熱発電の導入可能性の検討も含めて、再エネ拡大に向けた取り組みを加速していきます。
2005 | 2023 | 2030目標 | |
---|---|---|---|
水力 | 111 | 140 | 141 |
太陽光発電等 | 3 | 6 | 13 |
合計 | 114 | 146 | 154 |
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
水力 | 118.24 | 126.34 | 126.34 | 140.29 | 140.29 |
太陽光発電 | 2.99 | 2.99 | 2.99 | 2.99 | 2.99 |
バイオマス | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
廃熱発電 | ー | ー | ー | ー | ー |
火力 | ー | ー | ー | ー | ー |
購入電力 | ー | ー | ー | ー | ー |
合計 | 124.23 | 132.33 | 132.33 | 146.28 | 146.28 |
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | |
---|---|---|---|---|---|
再生可能エネルギー消費量 | 696,379 | 571,754 | 541,445 | 530,387 | 519,619 |
非再生可能エネルギー消費量 | 1,004,321 | 887,976 | 1,121,524 | 1,083,241 | 783,894 |
合計 | 1,700,701 | 1,459,730 | 1,662,969 | 1,613,628 | 1,303,513 |
青海工場の周辺には、北陸電力株式会社との共同出資となる黒部川電力株式会社の発電所も含めて17カ所の水力発電所があり、最大出力は約14万kWと、民間製造業として国内屈指の規模になります。そのすべてが「流れ込み式」の水力発電所で、河川の水を水車ランナーに誘導し、発電後には川に戻すため、自然環境への負担の少ない発電方法です。水力発電は温室効果ガスを排出しないだけでなく、エネルギー効率が高い優れた再生可能エネルギーの一つであり、自然と共生しながら永続的に電気を生み出すことが可能です。この資源を有効に活用し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
新青海川発電所(2021年送電開始)
新姫川第六発電所(2022年送電開始)
カーボンニュートラルを実現する上で、エネルギーの使用の合理化は有効な手段のひとつとなります。これまで、火力発電所の燃料変更や、高効率ガスタービン発電機の導入、セメント工場における廃熱発電等を推進し、エネルギーの効率的な活用に努めてきました。最近では、2020年に青海工場で高効率ガスタービンが稼働、2022年には千葉工場で同様のガスタービンが運転を開始しています。
2020年に運転を開始した青海工場のガスタービン発電設備
2022年に運転を開始した千葉工場のガスタービン発電設備
当社は2013年より群馬県の渋川工場・伊勢崎工場に太陽光発電設備を導入しています。
現在、国内の各工場をはじめ、グループ会社も含めて新たな候補地を検討中です。経営計画「Mission 2030」の非財務KPIである再エネ最大出力150MWの早期達成と更なる上積みに向け、千葉工場や海外事業所(シンガポールほか)での太陽光発電設備の導入を推進すると共に、全事業所での導入の可能性について検討していきます。
DENKAソーラーパワーしぶかわ
水力発電所(地図)
施設 | 地図 | 最大出力(kW) | 当社分 最大出力(kW) |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
水力 | 1 | 青海川 | 3,300 | 3,300 | ||
2 | 小滝川 | 5,200 | 5,200 | |||
3 | 大網 | 28,400 | 28,400 | |||
4 | 大所川 | 9,800 | 9,800 | |||
5 | 横川第一 | 10,000 | 10,000 | |||
6 | 横川第二 | 16,000 | 16,000 | |||
7 | 海川第一 | 3,800 | 3,800 | |||
8 | 海川第二 | 4,700 | 4,700 | |||
9 | 海川第三 | 2,600 | 2,600 | |||
10 | 海川第四 | 990 | 990 | (FIT) | ||
11 | 姫川第六 | 26,000 | 黒部川電力 | 13,000 | ||
12 | 滝上 | 15,000 | 黒部川電力 | 7,500 | ||
13 | 長栂 | 5,000 | 黒部川電力 | 2,500 | ||
14 | 笹倉第二 | 10,200 | 黒部川電力 | 5,100 | ||
15 | 北小谷 | 10,700 | 黒部川電力 | 5,350 | ||
16 | 新青海川 | 8,100 | 8,100 | (FIT) | ||
17 | 新姫川第六 | 27,900 | 黒部川電力 | 13,950 | (FIT) | |
水力 計 | 187,690 | 140,290 | ||||
自家消費分(FIT除く) | ― | 117,250 | ||||
太陽光 | 渋川 | 1,990 | 1,990 | (FIT) | ||
伊勢崎 | 1,000 | 1,000 | (FIT) | |||
太陽光 計 | 2,990 | 2,990 | ||||
廃熱発電・バイオマス 計 | 青海セメント | 11,100 | 11,100 | |||
天然ガス | 青海 | 14,000 | 14,000 | |||
ガスタービン/コジェネ | 青海(田海) | 34,685 | 34,685 | |||
千葉 | 16,620 | 16,620 | ||||
ディーゼル | 渋川 | 1,000 | 1,000 | |||
火力 計 | 66,305 | 66,305 | ||||
発電能力 合計(FIT含む) | 220,685 | |||||
自家消費向け発電 合計 | 194,655 |