Environmental Preservation 環境の保全

クリーンエネルギーの取組み

2023年10月更新

クリーンエネルギーの取組み

再生可能エネルギーの拡大と環境負荷の少ない発電技術の導入

デンカは100有余年にわたって再生可能エネルギーの利用に取り組んでいます。水力発電を中心とした再生可能エネルギーを「つくる技術」と、貴重なエネルギー源として最大限に化学のモノづくりに生かす「つかう技術」を培ってきました。これらの技術の活用を通じて地球環境の保全に貢献すべく、自社の強みである再生可能エネルギーへの取り組みに一層注力していきます。

  1. 再生可能エネルギー(発電能力)の長期見通し
    • 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、「Mission 2030」の中で水力発電の増強と太陽光発電新設によるグリーンエネルギーの拡大を掲げて「再生可能エネルギー発電の最大出力:150MW」達成に向けた取り組みを開始しました。足元では既設水力発電所のリニューアルによる発電効率の改善や、各事業所での太陽光発電の新規導入を推進します。更に、中長期を視野に入れた対応として、新規水力発電所の建設を中心に、風力・地熱発電の導入可能性の検討も含めて、再エネ拡大に向けた取り組みを加速していきます。

    • デンカ電源構成比(2022年度実績)

    再生可能エネルギー(発電能力)の長期見通し(最大出力 MW)
      2005年度 2022年度 2030年度
    水力 111 140 141
    太陽光発電等 3 6 13
    合計 114 146 154
    • 黒部川電力(北陸電力株式会社との共同保有)は、発電出力の50%を計上
  2. デンカの水力発電

    青海工場の周辺には、北陸電力株式会社との共同出資となる黒部川電力株式会社の発電所も含めて17カ所の水力発電所があり、最大出力は約14万kWと、民間製造業として国内屈指の規模になります。そのすべてが「流れ込み式」の水力発電所で、河川の水を水車ランナーに誘導し、発電後には川に戻すため、自然環境への負担の少ない発電方法です。水力発電は温室効果ガスを排出しないだけでなく、エネルギー効率が高い優れた再生可能エネルギーの一つであり、自然と共生しながら永続的に電気を生み出すことが可能です。この資源を有効に活用し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

    水力発電国内17カ所 最大出力140,290kW

    • 2023年8月現在/合弁会社の当社分を含む

    新青海川発電所(2021年送電開始)新青海川発電所(2021年送電開始)

    新姫川第六発電所(2022年送電開始)新姫川第六発電所(2022年送電開始)

  3. 省エネルギーの取り組み

    カーボンニュートラルを実現する上で、エネルギーの使用の合理化は有効な手段のひとつとなります。これまで、火力発電所の燃料変更や、高効率ガスタービン発電機の導入、セメント工場における廃熱発電等を推進し、エネルギーの効率的な活用に努めてきました。最近では、2020年に青海工場で高効率ガスタービンが稼働、2022年には千葉工場で同様のガスタービンが運転を開始しています。

    2020年に運転を開始した青海工場のガスタービン発電設備2020年に運転を開始した青海工場のガスタービン発電設備

    2022年に運転を開始した千葉工場のガスタービン発電設備2022年に運転を開始した千葉工場のガスタービン発電設備

  4. 太陽光発電の取り組み
    • 当社は2013年より群馬県の渋川工場・伊勢崎工場に太陽光発電設備を導入しています。
      現在、国内の各工場をはじめ、グループ会社も含めて新たな候補地を検討中です。経営計画「Mission 2030」の非財務KPIである再エネ最大出力150MWの早期達成と更なる上積みに向け、千葉工場や海外事業所(シンガポールほか)での太陽光発電設備の導入を推進すると共に、全事業所での導入の可能性について検討していきます。

    • DENKAソーラーパワーしぶかわDENKAソーラーパワーしぶかわ

デンカ株式会社 CSR・広報室, デンカ株式会社 IR室

電力の取り組み

青海工場周辺の水力発電所と最大出力

青海工場周辺の水力発電所と最大出力

自家用発電所 最大出力(2022年8月現在)
施設 地図   最大出力(kW) 当社分
最大出力(kW)
水力 1 青海川 3,300   3,300  
  2 小滝川 5,200   5,200  
  3 大網 28,400   28,400  
  4 大所川 9,800   9,800  
  5 横川第一 10,000   10,000  
  6 横川第二 16,000   16,000  
  7 海川第一 3,800   3,800  
  8 海川第二 4,700   4,700  
  9 海川第三 2,600   2,600  
  10 海川第四 990   990 (FIT)
  11 姫川第六 26,000 黒部川電力 13,000  
  12 滝上 15,000 黒部川電力 7,500  
  13 長栂 5,000 黒部川電力 2,500  
  14 笹倉第二 10,200 黒部川電力 5,100  
  15 北小谷 10,700 黒部川電力 5,350  
  16 新青海川 8,100   8,100 (FIT)
  17 新姫川第六 27,900 黒部川電力 13,950 (FIT)
水力 計     187,690   140,290  
自家消費分
(FIT除く)
    -   117,250  
    渋川 1,990   1,990 (FIT)
    伊勢崎 1,000   1,000 (FIT)
太陽光 計     2,990   2,990  
天然ガス   青海 14,000   14,000  
廃熱・バイオマスボイラー   青海セメント 11,100   11,100  
ガスタービン/コジェネ   青海(田海) 34,685   34,685  
    千葉 16,620   16,620  
ディーゼル   渋川 1,000   1,000  
火力 計     77,405   77,405  
発電能力 合計(FIT含む)         220,685  
自家消費向け発電 合計         194,655  
デンカ株式会社 CSR・広報室, デンカ株式会社 IR室
環境の保全
環境方針

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地球環境への配慮 デンカは、世界の化学工業が推進している、レスポンシブル・ケアを軸に、地球環境保全に取り組んでいます。化学メーカーの責務とし...

環境の保全
カーボンニュートラルに向けた取り組み

カーボンニュートラルに向けた取り組み

デンカグループは、2050年度までのカーボンニュートラルの実現に向けた動きを加速させます。生産活動に伴う環境負荷を把握し、精力的に対応を進めてまい...

環境の保全
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環境経営の考え方

2050年度の「CO2排出ネットゼロ」を目指す 2030年度においても2013年度比50%削減 デンカグループは、社会や生態系が将来にわた...

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温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みと削減目標

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温室効果ガス排出量削減に向けた取り組み 当社は、パリ協定が掲げる2℃未満目標を念頭に置いて、自社での温室効果ガス排出量(Scope1+Sco...

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TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同

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デンカグループは2020年9月にTCFDへの賛同を表明し、同コンソーシアムに参画しました。TCFDの提言で示されてい...

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気候変動のリスクと機会

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リスクと機会の対応 気候変動がもたらすリスクと機会について、気温上昇1.5℃未満(グラスゴー気候合意)・4℃(現状成り行き)のシナリ...

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GXリーグへの参画

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当社は、経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」への賛同を2022年度から表明しておりましたが、この度2023年度より...

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クリーンエネルギーの取組み

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再生可能エネルギーの拡大と環境負荷の少ない発電技術の導入 デンカは100有余年にわたって再生可能エネルギーの利用に取り組んでいます。水...

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青海工場周辺の水力発電所と最大出力 自家用発電所 最大出力(2022年8月現在) ...

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環境エネルギー関連等補助金

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環境エネルギー関連等補助金の活用 補助金制度を積極的に活用し、省エネルギー・環境負荷低減に取組んでいます。 特に経済産業省「エネルギー使用...

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環境汚染防止に関する方針

環境汚染防止に関する方針

デンカは、グループ各社の生産設備などから排出される環境負荷物質を的確に把握し、継続的な削減に取り組んでいます。対象物質は、CO2などの温室効果ガス...

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TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応

TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)への対応

自然環境との共生は、気候変動対応と並び持続可能な社会の確立に向けてその重要性が高まっており、国際的な情報開示の枠組みづくりが本格化しています。 ...

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水資源保全

水資源

背景 限りある水資源は、気候変動とともにグローバルな課題として認識されています。事業所から海・河川などの公共用水域への排出水について水質...

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循環型社会実現への貢献(ゼロエミッション活動)

循環型社会実現への貢献(ゼロエミッション活動)

当社青海工場セメントプラント(新潟県糸魚川市)では、原料および熱エネルギーとして使用している天然鉱物の一部を廃棄物・副産物に置き換えることでセメン...

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プラスチック問題の取り組み

プラスチック問題の取り組み

デンカグループは、合成樹脂の素材からポリマーの加工・成型までにわたる一貫した製造設備と製品開発力を持つ強みを活かして、地球環境負荷低減とプラスチッ...

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環境会計

環境会計

環境保全コスト 2022年度の環境投資の主要項目は、環境負荷低減対策(26%)、省エネルギー設備の導入などに伴う地球環境保全コスト(73%)...

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主な環境負荷の状況

主な環境負荷の状況

主な環境負荷の状況(2022年度の全事業所合計(カッコ内は2021年度))

環境の保全
2022年度環境パフォーマンスデータ

2022年度環境パフォーマンスデータ

CO2排出量 2022年度は、主力である大牟田工場や千葉工場が減産し、CO2排出量は大幅に減少しました。2023年度も、各製造プラント...

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事業所別環境パフォーマンスデータ

事業所別環境パフォーマンスデータ

2022年度 主な物質の排出量及び水利用量の割合 青海工場 ...