Environment 環境

生物多様性への対応

2023年10月更新

生物多様性への対応

自然環境との共生は、気候変動対応と並び持続可能な社会の確立に向けてその重要性が高まっており、国際的な情報開示の枠組みづくりが本格化しています。
デンカグループは、ESG基本方針に「環境負荷低減と生物多様性の保全・保護」を掲げています。本方針のもと、事業活動に伴う環境への影響を把握し、維持・向上を目指してゆくことを目的に、生物多様性の情報開示フレームであるTNFD(※)から発行されているβ版ガイドラインに則して、対応の取り組みを開始しています。

  • TNFD:自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosure)
    2023年秋に生物多様性に関する情報開示の正式版ガイドラインの公表が予定されている
生物多様性への取組み

デンカは、自然環境情報の収集、整理、検討、意思決定には一定以上の期間を要すると見込み、TNFDのガイドラインで推奨されるLEAPアプローチを用いて、自社の事業活動と生物多様性の接点を見出し、優先課題を把握するという観点で、2022年9月から行動に着手しています。
具体的には、国内7事業所の周囲の自然環境について公共データや文献による調査を実施したうえで、まずは近隣の山岳に17ヵ所の水力発電所を有し、自然環境に最も大きな接点を持つ青海工場(新潟県糸魚川市)に着目し、自然との接点の抽出・評価を始めています。これにもとづき、自然環境との関係における当社のリスクと機会を分析し、生物多様性の保全に向けた具体的な対策に取り組んでいきます。さらに今後は、他の事業所にも順次対象を広げ、上記の活動をサイクルとして継続しながら、長期的な視点で自然環境の維持・向上を目指します。

  • 企業が自然関連のリスクと機会について情報開示を行うにあたり、TNFDが提唱する科学的根拠に基づく体系的評価のプロセス。4つのフェーズ(Locate、Evaluate、Assess、Prepare)で構成される。

デンカの国内事業所(工場)とその周辺の自然環境(生態系)

デンカの国内事業所(工場)とその周辺の自然環境(生態系)

青海事業所での生物多様性の予備調査による優先課題の把握

2022年9〜11月に青海工場を対象として予備調査を実施しました。自社の事業活動が自然に対して依存している点があるか・影響を与えているか、という観点で関係性を確認しつつ、各接点における生物多様性を評価いたしました。今後は上記の様に対象事業所を広げつつ、全体の評価・対策検討プロセスを進めていきます。

事業と自然との接点 自然への依存・影響
バリューチェーン 拠点・施設名 事業活動 対象区域等 自然環境との関わり 依存 影響 生態系の完全性 生物多様性の重要度 水ストレス
原料調達 水源涵養林 水源涵養 姫川など上中流域 水力発電、工業用水のための水源は、生物の重要な生息地を利用している
取水 姫川・青海川・海川・早川 姫川等の河川に取水堰を設置している
送電線 送電 送電線周辺 鳥類の生息環境に送電線を設置している
加工製造 工場 製造施設 加工製造 工場及び周辺 廃棄物の保管場所周辺に二次林、青海川がある
取排水は青海川を利用して行われている
工場緑地は二次林に面し、一部を緑地としても利用している
水力発電施設 発電 発電施設周辺 姫川等の河川水を利用して発電している
  1. 生態系の完全性:自然環境(地域)が持つ種の豊かさ、絶滅リスク、生態系自然資本の充実度の評価
  2. 生物多様性の重要度:法的、国際的な保護区域である、固有生態・絶滅危惧種生息地であるなど地域の重要度の評価
  3. 水ストレス:自然環境(地域)が持つ水(淡水)の供給量に対する使用量の多寡についての評価
株式会社ディ・エフ・エフ, デンカ株式会社 CSR・広報室, デンカ株式会社 IR室, 星和ビジネスリンク
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