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気候変動のリスクと機会

2023年10月更新

気候変動のリスクと機会

リスクと機会の対応

気候変動がもたらすリスクと機会について、気温上昇1.5℃未満(グラスゴー気候合意)・4℃(現状成り行き)のシナリオ分析を実施し、2030年度に想定される影響と取るべき対策の検証を継続して行っています。政策・法規制関連では炭素税・排出権取引(カーボンプライシング)導入、欧州のバッテリー規制や炭素国境調整措置のリスクが予見される一方、炭酸化混和材LEAF、xEVに使用される電子材料等、多様な製品・事業のポートフォリオにおいては販売拡大の機会も生まれます。今後、デンカグループとしてのビジネスリスクとチャンスを定量的に把握し、TCFDに即した適切な対応を進めた上で、経営計画や事業戦略への反映を進めます。

気候変動に伴うシナリオ分析に基づく、デンカとしてのリスクと機会の抽出
シナリオ TCFD
分類
項目 想定
影響度
デンカ該当事業部
(想定該当製品)
該当事業分野
への影響
対策
1.5℃
未満
政策・法規制 炭素税の導入及び排出権取引制度の導入 全部門
  1. 排出量全体及び/または排出枠上限超過排出分に関わるコスト負担増
  1. CO2排出量削減に向けた省エネ対応や、新技術導入による非エネルギー起源CO2の削減
バイオ由来原料の導入比率設定や義務化
プラスチック資源循環(廃棄物削減)の要請の拡大
ポリマーソリューション電子・先端プロダクツ
エラストマー・インフラソリューション
  1. ワンウェイ使い捨て樹脂から他素材への代替進行バイオ由来原料導入の結果、製品物性の低下、コスト負担増
  1. ケミカルリサイクルの導入によるスチレン系樹脂の資源循環推進、バイオポリマー配合製品の置換物性改良、コストダウン
技術・評判 製造時にCO2を大量に排出する製品の脱炭素要請及び世界的なCCUS推進 エラストマー・インフラソリューション
(セメント製品、特混、カーバイド、クロロプレン)
  1. 製造コストの増加
  2. 無対応の場合には、他素材への代替進行
  1. CFP評価の迅速な導入による情報開示
  2. CO2排出量削減に向けた省エネ対応や、新技術導入による非エネルギー起源CO2の削減
  3. 事業所毎に周辺企業、自治体との協業を模索
資源の
効率性
LCA(CFP)面で優位な技術の台頭 電子・先端プロダクツ(放熱材料等)
  1. CFP算定を開示しないと他素材への代替進行EU圏への輸出に支障が出る可能性
  1. 需要に即した生産能力拡大
  2. CFP算定を推進・開示、製品製造時のCO2削減
エネルギー源 クリーンエネルギーへの転換進行 全部門
  1. 再エネ比率・水素活用の拡大
  1. 水力発電能力の拡大、水素のエネルギー利用、水力発電による水素製造(水の電気分解)の検討
製品/サービス 電気自動車の普及に伴う既存製品の拡売と関連部品の開発 電子・先端プロダクツ
(EV車両に搭載されるパワコン、電池に関連する窒化ケイ素セラミック基板、球状アルミナ、放熱材料、アセチレンブラック製品等)エラストマー・インフラソリューション
(LiB用断熱・延焼防止材向けアルセン、非晶質シリカペーパー)
  1. 電気自動車関連部材製品の需要増
  2. 本用途への事業性見極め、量産、拡販
  3. 内燃機関部材製品の需要減
  1. 需要に即した生産能力拡大
  2. ユーザーワークによる要求性能確認、他社連携による試作推進、価格を含めた本ニーズへの事業性判断
  3. 設備投資、新製品開発
  4. EV関連の新規用途への展開
再エネ電力供給システムの整備 電子・先端プロダクツ(アセチレンブラック)
エラストマー(ケーブル)
  1. 蓄電池および送電網整備に使用される部材の需要増加
  1. 需要に即した生産能力拡大、更なる高機能製品の開発
4℃ 物理リスク 降水パターン変化による渇水や台風・大雨・洪水などによる水害甚大化による生産設備の損傷・工場の操業停止、SC(供給網)の寸断 全部門
  1. 生産設備の復旧費用負担および操業停止に伴う機会利益の喪失
  2. 原料調達先及び製品需要家の生産設備の損傷に基づく当社生産・販売活動の停滞
  1. 想定災害レベルの見直し(激甚化)に基づく設備保全対策の強化
  2. サプライチェーンの多様化

製品/サービス 気温上昇による熱中症と感染症の増加(新たな感染
症の出現)
ライフイノベーション
  1. 新たな感染症を含む検査薬・ワクチンの需要増加
  1. 新検査薬・ワクチンの開発
自然災害甚大化に対応するインフラ整備の要請増加 エラストマー・インフラソリューション
  1. 防災・減災に関連するインフラ関連製品・サービスの需要拡大
  1. 需要に即した生産能力拡大、更なる高機能製品の開発
株式会社ディ・エフ・エフ, デンカ株式会社 CSR・広報室, デンカ株式会社 IR室, 星和ビジネスリンク
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環境方針

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2050年度までのロードマップ デンカグループは、2020年度に2050年度のカーボンニュートラルの実現を表明しました。また、そのマイル...

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