2022年10月更新
「化学の未知なる可能性に挑戦し、新たな価値を創造(つくる)ことで、社会発展に貢献する企業となる。」は、SDGsの社会発展に向けた精神と目的を一とする、デンカの使命です。
SDGsを羅針盤として、独自の製品技術やソリューションを生み出し、世界発展への貢献を目指していきます。
化学製品を製造する電気炉や化学プラントを稼働させるためには、低廉で安定的なエネルギーの確保が必要です。100年を超える歴史の中では事業存続にかかわる困難を幾度も経験してきました。
そのためデンカは再生可能エネルギーの増発電や各工場の省エネルギーに取り組むとともに、製品・サービスの提供を通じた、地球温暖化防止への貢献を推進しています。
世界では、CO2を利用して有機化合物合成を行う研究や、微細藻類の光合成や作物の促進光合成に積極的に使う研究も進んでいます。こういった研究も参考にしながら、CO2を大気へ排出せずに製品に利用するための、デンカ独自のCCU技術(Carbon capture & utilization)の確立を目指していきます。
デンカ青海工場では、社会から排出される廃棄物を、セメントの原料や燃料として受け入れています。上下水道の汚泥、災害で発生した瓦礫、建設残土、廃油、廃プラスチック、廃タイヤ、自動車のリサイクルで最後に残るシュレッダーダスト、そして火力発電所や製鉄所の副生物である石炭灰、石膏、鉱さいなどの廃棄物は、その多くが埋め立て処分せざるを得ないものです。それぞれの資源は、形状や成分が異なり安定していないこともあり、安全と品質の管理に細心の注意を払いながら、高度な管理技術を駆使してセメントの製造を行っています。環境保全と地域社会の資源循環を支える基盤であるセメント事業は、事業収益の向上と、社会貢献を両立する優れた CSV(Creating shared value)事業です。
デンカは1915年の会社創立時より水力発電所の建設と運営を行っています。青海工場の周辺には共同保有分も含めて17カ所の水力発電所があり、最大出力は約14万kWと、民間企業として国内屈指の規模です。そのすべてが「流れ込み式」の水力発電所で、河川の水を水車ランナーに誘導し、発電後には川に戻すため、自然環境への負担の少ない発電方法です。
水力発電は温室効果ガスを排出しないだけでなく、エネルギー効率が高い優れた再生可能エネルギーの一つであり、自然と共生しながら永続的に電気を生み出すことが可能です。
1921年開設の小滝川発電所などの100年にも及ぶ歴史的な設備を大切に利用するとともに、発電効率を高める設備更新や新たな水力発電所建設も行っています。新規の水力発電所の建設は、建設期間が長く大きな費用がかかるため、大きな困難が伴います。
地域社会のご理解とご協力の下、国の支援制度を活用しながら、長年培ってきたノウハウを再生可能エネルギーの利用拡大と社会発展に活かすことが、デンカの社会的責任であると捉えています。