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Products and Technologies 製品・技術

社長対談

社長対談

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2019年6月 デンカ本社にて 左/山本社長 右/蟹江教授

  • (2019年6月 デンカ本社にて 左/山本社長 右/蟹江教授)

デンカのモノづくりを通じた
未来の価値創造

  • 蟹江 憲史氏×山本 学
  •  
  • デンカの企業理念である「The Denka Value」は、2030年に向けて世界が取り組む「SDGs」の精神に合致するものです。
    日本におけるSDGsの第一人者である蟹江教授をお招きし、これからの企業のあるべき姿についてご意見を伺いました。

  • SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

SDGsは羅針盤

山本 : 私はSDGsとは非常によくできた「羅針盤」ではないかと考えています。化学企業にはデンカと同じ規模の会社がたくさんあり、それぞれが、社会に貢献する可能性に溢れた独自の技術を有しています。しかし、それらをどう活用させていくのかが問題です。まさに、それを示してくれるのがSDGsではないでしょうか。

蟹江 : 確かにSDGsに書かれていることを実践することが、企業にとっての確かな舵取りにつながっていく、という意味では、羅針盤という表現は相応しいですね。SDGsの一番重要な点は、世界の全ての国が合意した将来の目標である、ということです。つまり、SDGsに書かれていることは未来の世界のかたちだと言えると思います。

山本 : 私はデンカが成長するにはスペシャリティーを追求するしかない、と考えています。スペシャリティーとは、つまり「世界の人々が望むもの」といえます。その技術・製品を使えば、人々の暮らしが豊かになる、または価値が上がっていく、というものです。まさにSDGsの考えに合致するものであると思います。

蟹江 : その通りですね。そしてSDGsを活用することで、それが拡がっていく、ということも言えるかと思います。
例えば、高機能インフラと省エネという2つを組み合わせて考えてみると、これまでと違った新しいアイデアやビジネスが生まれるかもしれません。SDGsは17もの切り口がありますから、あらゆるアプローチが可能になります。
まさに羅針盤ですね。またサプライチェーンに対して拡げていく、という考え方もあります。その意味で戦略として「プロセス改革」を掲げられているのは、素晴らしいことだと思います。

山本 : 現在、私たちが取り組んでいることの一つに「バイオスティミュラント」※1という技術があります。これは食料の増産と環境への負荷軽減を両立させる、まさにSDGs的発想の技術だと思っています。日本の化学企業は100年以上の歴史の長い会社が多く、それぞれかなりの技術蓄積があります。なかには宝の持ち腐れになっている技術も少なくなく、これらを活用するうえでも、SDGsがヒントになるのでしょうね。

  • ※1:植物に対する非生物的ストレスを制御することにより、気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術
    (日本バイオスティミュラント協議会ウェブサイトより)

時間を味方につける

蟹江 : SDGsの良いところは、2030年までの長期目標であるということ。つまり、時間を味方にできるのです。今すぐにはできないかもしれないけど、10年、20年という年月をかけて、理想的な世界を実現していくのがSDGs。「あれができていない、これが足りない」と指摘する声があったとしても、未来に向けて前向きに取り組んでいる、というスタンスを示すことがまずは大事です。

山本 : このように世界が認める、あるべき姿を示してくれることは、長期ビジョンを示していくうえで、非常に助けになりますし自信にもなります。

蟹江 : ESG投資が注目される中、長期的にどういうビジョンを持って前向きに取り組んでいくか、というところに人々の関心が集まりますし、応援する人たちが増えてくると思います。

山本 : 私たちは2015年に「The Denka Value」という企業理念を制定しました。全ての企業活動が、最終的にESGの向上につながるものにしていく、ということを明確に示しています。今の課題はそれをどうやって従業員に浸透させていくか、ということです。これまではCSR、マテリアリティ、ESGといった要素がうまくつながっていなかったのですが、それがSDGsで一つにまとまった気がします。

蟹江 : ESGの普遍性を高め、より細かく、分かりやすくしたものがSDGsといえますから、そのような方針を持たれているのは、本当に心強いですね。ただ浸透させるのは大変で、私も課題に感じています。大企業だけでなく、中小企業を含めたコミュニティ全体に対して、しっかり伝えていくのは、企業の役割でもありますし、私たち研究者の役割でもあります。自分達の仕事がいかに社会にとって必要なものか、ということが分かれば、モチベーションの向上にもつながるのではないでしょうか。

山本 : 自分達がつくっている製品が、社会でどのように使われているか分からない、という声もありました。そこで管理職の方々には、「自分達の製品は社会でこのように貢献している」ということを、しっかりと伝えるようにお願いしています。

蟹江 : 特に技術系の開発者などは、研究を進めるにつれ、自分達がやっていることが何なのか、段々と分からなくなってくるそうです。その中において長期的な視点が示されることで、自分達の取り組みはここに貢献しているのだ、ということが理解できるようになります。実は、これは働き方にもつながることで、仕事に対するモチベーションを高めることにも貢献します。

山本 : 過去には規模の拡大や、伝統的なコストダウンに終始していた時代もありましたが、それではグローバルでの競争に勝つことは難しい。デンカが今後も生き残っていくために必要な戦略がスペシャリティーです。ただし、一過性の動きではすぐに陳腐化してしまうため常にその状態を生み出せるようにしておかなければいけません。それには、スペシャリティーを実行できる人財育成が必要です。そのために、AIやIoTなど技術の進化を活用して、抜本的なプロセス改革、働き方改革を進めています。プロセス改革によって、作業の標準化や見える化が進めば、ダイバーシティを進める上でも非常にやりやすくなる、ということを狙っています。

蟹江 : 量に対抗するには質、ということですね。消費者の意識も「量から質」に変わりつつあります。SDGsの前身であるMDGsもどちらかというと量に訴える内容でした。
しかしSDGsでは質を重視しています。質を高めることで強みになっていくのでしょうが、その強みが貴社のスペシャリティーであり、その中でもそれに特化しすぎると、柔軟性が無くなるという恐れもある中において、「融合体」という別の視点があることで、新たな可能性を引き出すという戦略になっているのですね。

山本 : かつては縦割り組織で、組織間のシナジーという概念がなく、宝の持ち腐れになっていた技術もありました。
今は「連携と革新」をキーワードに、連携を強めることに注力しています。

蟹江 : まさに化学変化を生み出そうとしているのですね。

ステークホルダーとともに成長
  • 蟹江 : SDGsの重要なポイントとして「誰一人取り残さない」という指針があります。デンカさんの事業における重点的な取り組みとして「ヘルスケア」があります。例えば薬品などはマーケットを広げていくことで、商品の価格が下がり、結果、助かる命が多くなるということが言えます。まさに本業を進めていくことで社会貢献につながる、典型的な分野でしょうね。

    山本 : デンカの経営計画「Denka Value-Up」では、「スペシャリティーの融合体」を目指し、「持続的成長」かつ「健全な成長」を実現することを掲げています。「健全な成長」という言葉には、全てのステークホルダーの幸せを犠牲にしない、という意味が含まれています。企業の成長とともに、ステークホルダーも成長できる。これこそが究極の目標だと思っています。

    蟹江 : SDGsは、必ずしも企業の本当の目標になるとは限りません。ボウリングで例えると、レーンの途中に三角形のガイドが記されていますね。それがSDGs。そこにボールが通ると、うまくピンが倒れる。つまりSDGsが示す場所にボールを投げることで、企業の本当の目的(=ピン)に届く、ということです。資源の枯渇、温暖化など、地球環境はどんどん悪くなっていく一方ですし、これからの10年は、そういう意味でも非常に重要な10年となるでしょう。デンカさんが、まさにそういうところで、持続的で健全な成長を目指して様々なプロセス改革に取り組まれていくのは、さすがだと思います。

    山本 : スローガン倒れにならないよう従業員全員に浸透するように続けていきたいと思っています。

  • 蟹江教授

未来のデンカへ

山本 : デンカにとっての脅威は環境問題です。海洋プラスチック問題は喫緊の課題として取り組まなければいけません。また、デンカではセメントの製造設備を有していまして、温室効果ガスの排出が多い、という側面はあるのですが、逆に産業廃棄物の有効利用という優位点もあります。100万t以上のセメントを製造していますが、50万t以上の産業廃棄物を同時に処理しています。これをチャンスとしてもっと活かせないかと考えています。またデンカではクリーンエネルギーである水力発電が半分近くを占めているのですが、気候変動により雨量が著しく減少すると、事業の存続に関わります。

蟹江 : 海洋プラスチック問題にしても、気候変動にしても、一社単独では解決できません。SDGsにはパートナーシップという考え方がありますが、行政やNGOなど、様々なセクターとパートナーシップを組むことで、解決につなげられると思います。その結果、良い技術やソリューションが生まれたら、ぜひそれをグローバル・スタンダードにしてください。日本企業はその部分が弱くて、どうしても欧米の企業にイニシアチブをとられてしまいがちです。いいものができたから、皆でつかいましょう、と世界に対して呼びかける存在になっていただきたいです。

山本 : 私が理想としているのは、世界中のステークホルダーが、デンカとリレーションを持つことを誇りにしてくれることです。そのための方向性を示す羅針盤がSDGsであると確信しました。今後もSDGsを活用して、世界をリードする会社へと成長していきたいと思います。

(2019年6月 デンカ本社にて実施)

  • 蟹江 憲史 氏

  • 蟹江 憲史 氏
    慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授

    国連大学サステイナビリティ高等研究所シニアリサーチフェロー。 北九州市立大学講師、助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授などを経て現職。日本政府「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部円卓会議」委員、内閣府「自治体SDGs推進評価・調査検討会」委員、環境省持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティング構成員など多くの公職を兼務。

株式会社ディ・エフ・エフ, デンカ株式会社 CSR・広報室, デンカ株式会社 IR室, 星和ビジネスリンク
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