2023年10月更新
超高速・多数同時接続・低遅延を特徴とする次世代通信には高周波の電磁波が使われますが、高周波化に伴う信号の伝送損失を抑えるため、基板材料には低誘電率・低誘電正接が求められます。SNECTONは当社の重合技術により設計した熱硬化型の低誘電有機絶縁材料であり、次世代通信用の樹脂材料に好適な材料です。5G・6Gの実現に貢献すべく次世代通信基盤用途を中心に市場開発に取り組んでいます。
風力発電等自然エネルギーを活用した発電システムやEVモーター等、発電/動力の元となる回転系装置のベアリングボールを従来の鉄製からセラミック製に置き換える動きが海外で高まっています。その中で耐久性に優れるSNが注目され、すでに放熱基板で実績のある、SN粉をベアリングボール向けに開発しました。
接着剤事業で当社が長年培った「アクリル系素材配合技術」及び「UV硬化剤配合技術」を用いて、液状UV仮固定接着剤である「TBM」を新規に開発しました。次世代パワーデバイスに順次適用されるSiC対応が可能な仕様を構築中です。
北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所との共同研究で、エボラ患者血液から抗原を迅速検出するキットを開発しました。実際にコンゴ共和国での流行地域で臨床的有用性が確認されたことから、国内の体外診断用医薬品の承認を得ています。更にマールブルグなど類似のウイルスへの展開を図ると共に、WHOなどの関係機関と実用化に向けた取り組みを進めています。
新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行に備え、両方のウイルスを1つのデバイスで同時に診断可能な抗原迅速診断キット(POCT)の国内製造販売承認を2021年6月に取得し、販売を開始しました。デンカはPOCTの国内トップメーカーとして、キットの供給等を通じて、医療に貢献してまいります。
炭酸化混和材「LEAF」は、空気中のCO2を吸収・固定化しながら組織を緻密化させる特殊混和材であり、モルタル・コンクリート製造時のCO2総排出量を低減する効果を有します。
デンカは鹿島建設㈱、㈱竹中工務店、当社を中心としたコンソーシアム「CUCO (CARBON UTILIZED CONCRETE)」を結成し、「LEAF」を含めた複数のCO2排出量低減技術の融合によるカーボンネガティブコンクリートの普及活動を進めています。
バイオマスプラスチックを独自の技術で配合することで環境負荷を低減する新環境対応シートをデンカポリマー社と共同で開発しました。開発品のバイオマス度は、一般社団法人日本有機資源協会の認定(バイオマス成分10%以上)を受けております。食品容器としての機能は130℃のレンジアップ耐性や従来のフィラー入りPP(PP-F)に比べて軽量性を有し、温室効果ガス排出量削減にも貢献出来ます。
天然素材の卵殻とプラスチックの1つであるポリスチレン(PS)樹脂を配合した地球にやさしい新素材を開発しました。本開発品は、50重量%以上の卵殻配合が可能な独自技術を用いており、更にABS樹脂との配合やセルロースなど他の天然素材の有効活用も含めた改良も進めております。性能としては既存のPS樹脂と同等の耐久性と成形性があり、温室効果ガス排出量およびプラスチック廃棄物の削減に貢献できます。